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2011/07/26

1917年の夏休み日記

先日実家に帰った折、母方の祖母が女学生時分に書いた夏休み日記を見せてもらいました…


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全頁写真に撮ってきたので、しばらくこちらにあげてみます…

祖母は、1903年明治36年生まれ、1996年に亡くなりました。

ちなみに同年生まれの人を調べてみると、
森茉莉、レイモン・クノー、小野十三郎、瀧口修造、小林多喜二、林芙美子、ジャンケレヴィッチ、フォン・ノイマン、コンラート・ローレンツ、アドルノ、ルドルフ・ゼルキン、ホロヴィッツ、ビング・クロスビー、小津安二郎、ヴィンセント・ミネリ、杉狂児、クローデット・コルベール、岡田時彦、古川ロッパ、小磯良平、棟方志功、マーク・ロスコ、安井仲治、等々…
案外有名な人たちが多いですねえ…しかしこうして並べると意外感もあるなあ…

日記が書かれたのは1917年、大正6年で祖母が14歳のとき。その年の主要な出来事といえばやはりロシア革命かしら、ケレンスキー内閣ができたのがこの7月、その後の10月革命でソヴィエト政府が樹立することになるわけですが…
以下wikiから主要な出来事を拾ってみると、
5月にバレエ「パラード」がパリで初演(サティ、コクトー、ピカソ)、 
7月ファイサル・イブン・フサインと英軍ロレンス大尉、『知恵の七柱』を書いたアラビアのロレンスですね、が率いる対オスマン帝国反乱軍がアカバを奪取、
9月に中華民国で孫文が広東軍政府を樹立…とか…
また、萩原朔太郎『月に吠える』、志賀直哉『城の崎にて』などが書かれた…というような年です…

なんでこんなもんが出てきたかというと、祖母の兄、これがまた長命で1999年に100歳だったかで亡くなったのですが、その遺品の中にこれがあったそうです…

祖母がこの日記を書いたのは山形の鶴岡にいた頃。
もともとは岡山で産まれたのですが、祖母の父が鉄道敷設の技師かなにかで当時鶴岡にいたようです。その後神戸に引っ越し、東京の英学校に行って、更に大阪に移ったのか?その後の細かい事情は調べきれていないのですが、祖父と結婚したようです…
そういえば、祖父母の住んでいた家、元は農家だったので米を置いておく木造の蔵があったのですが、壊す前にかたずけていたら祖父が出したらしい祖母宛の手紙を見つけたのですが、「お姉さま…」で始まる、読んじゃいられない甘ったるいシロモンでございました…(祖母が4つほど年上)…他にディートリッヒのブロマイドや、村井弦斎の『食道楽』なんかが出てきたのを覚えてます…

内容は本当に他愛ないもの...
また、岡山から引っ越してきたせいか、若干東北に対して見下しているようにとれる箇所もありますが、
そこは大目に見て下さい… あ、こけしは残念ながら出てきませんでした(笑)
夏休みの宿題をまともにやった記憶のない身としては、本当にこれ、全部本人が文面考えたのかしら⁈、という疑念が少し有りますが…
しかし、夏休みの宿題に日記を書かせる、というのはいつ頃、誰が始めたんでしょうねえ…
当時は映画もまだサイレント、冷蔵庫も洗濯機もまだ普及していない時代、どんな日々をおくっていたのか…

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7月26日 木曜日 快晴

嬉しい楽しい夏休みもはや今日からとなりました。朝早くから座敷やお庭のお掃除を獨りで悉皆済まして、朝飯を戴きました。近頃に無くおいしう御座いました。涼しい内にと思って地理と歴史を復習し、また裁縫の宿題、袂袖と元禄袖とを仕上げました。
午後三時頃川端の柳の下で本を見て居ました所が座敷に誰れも居ないのに、カサカサと走りまはるものがある、はて何であらう鼠は晝中出まいしと思ひながらコハゴハのぞ

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いてみますと、(こはそも如何に)可愛い可愛な白兎ではありませんか、二匹して今まで小さな箱に入れてあったとみえて、
いゝ氣になり、「我々もこう大きな家にいれられると、充分運動が出来るが、あんなちっぽけな所へ居らされては、たまるものでない」と、いふやうな顔をして後ろの足で飛びあゝやれやれ等云ってるらしい。一つおどかしてやりませう、と兎は大そう猫をおそれるそうですから、ニャヲヽとまねをしましたら、お床の上でガリ


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ガリいはして居ましたが、思ひがけない其の聲に、逃げるはヽ其の速い事東洋のオリンピックに出たならば必ず一等賞に成って今までにない記録を作ったでありませう。そして母様の袂の中にもぐり込んだので、早速犬小屋を修繕していたゞいたのに入れました。裏から畑にある玉葱と豆の葉を取って與へましたら皆食べて未だほしさうに長い耳をぴくゝさしてゐました。
夜は珠算の練習をして床に就きました。

(起床午前四時、就床午後十時)

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